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【教師は授業で勝負!】分かってはいるのに・・・
『授業改善』と名の付く研修に行くと必ず言われる言葉が
「教師は授業で勝負!」
私も教職20年以上になりますが,何度言われたことか・・・
でも,これは確信をついています。
なぜなら生徒は学校にいる時間の中で授業の時間が一番多いからです。
一番時間を割いている授業の時間が
『おもしろい』か『おもしろくないか』
教師に対する信頼度のバロメーターと言ってもいいくらい
授業とは大事なものである。
それなのに,授業で教え方が下手な先生が非常に多いです。
20代前半の先生は別。
経験によって得られる力もあるので
若い先生は別としても,30代,40代,50代になっても
教え方のひどい先生はいます。
では,その先生はいったいどこに問題があるのでしょうか?
【こんな先生いるよね】教え方が下手な教師の共通点
ここでは,教え方が下手な先生の共通点を4つ紹介します。
もし,この記事を読んでいただいている方が,私と同じ教師であれば
一度は経験したことがある内容だと感じていただけると思います。
それでは見ていきましょう。
【教え方が下手な教師の共通点①】生徒の○○を細かく確認しない。
自分の言いたいことを先生が延々と説明するような授業ってよくありますよね。
教師というのは授業の準備をする時に
「この部分は説明が必要だな。説明の仕方を事前に考えておこう」
と,自分なりに考えるわけです。
それがいざ授業になると
あたかも原稿を読み上げるニュースキャスターのように
丁寧にわかりやすく読み上げます。
一見わかりやすそうですが,教師とニュースキャスターには大きな違いがあります。
それは目の前に生徒(視聴者)がいるかいないかです。
カメラが目の前にあるニュースキャスターはリアルタイムで視聴者と会話することができないので
原稿をできるだけ丁寧に読むことしかできません。
しかし,教師は違います。
目の前に生徒がいるのです。
もし,あなたが生徒だとして,目の前の教師がニュースキャスターのように
歯切れよく丁寧に説明されたらどうですか?理解できますか?
簡単な内容ならできるかもしれませんが,
ちょっと複雑な内容だったらどうでしょう?
分からない部分がでてきたらすぐに質問したくなりませんか?
その疑問が解決されることなく次の内容をどんどん聞かされたらますます分からなくなりますよね。
聞いている生徒にも問題がないわけではありません。
日本人はわからないことがあっても,その場で質問せずに,わかったつもりで「はいはい」とうなずいてしまう傾向があります。
そうすると話し手(説明する教師)は
「あ,分かってくれているな!」
と勘違いして,確認をすることなく説明を続けてしまうのです。
だから,教えている間は「多いかな~」と思うくらい
生徒の理解を細かく確認すべきなのです。
つまり,
『生徒の理解を細かく確認しない』
先生は教え方が下手なのです。
例えば,「ここまでわかった人?」と質問したり
「じゃあ,この例題を解いてみましょう。」といって
その間,机間巡視をして理解度を把握したりして
現段階での生徒の理解度を確認することで
先ほどのような勘違いを防ぐことができます。
【教え方が下手な教師の共通点②】理解している生徒を○○ない。
『教える』の目的は『好きになってもらうこと』だと私は思います。
私は中学校で数学を教えています。
だから,生徒に数学を教える目的は
『数学を好きになってもらうこと』
なのです。
『数学が苦手』とか『数学って嫌い』って思う生徒は沢山います。
そんな生徒を好きにさせるには何が必要か?
それは『できたことを褒める経験を積ませることです。』
特に数学という教科は,問題を解いて正解するという達成感を味わう学問です。
できなかったことができるようになる。
これだけ単純でモチベーションを上げてくれる教科はありません。
つまり,教え方が下手な先生は
『生徒が理解していることを褒めない』
のです。
中学校の教師は,その教科の専門の先生です。
学生時代から得意な教科を教えていることがほとんどなので。
わからない生徒の気持ちがわからないことば多々あります。
でも,教師である私たちは,そんな経験をしていたとしてもできない生徒を無視してはいけません。
完全に理解していなくても
「うん,式はあっているね。途中の計算が間違っているだけだからもう一度落ち着いて計算してごらん!」
「答えは間違っているけど,使っている定理はあっているよ!」
などと部分的に理解しているところを見逃さずに褒めることが重要なのです。
ただし,1つだけ注意点。
『褒める』の使いすぎはNGです。
人は過度に褒められると逆に不信感が募るものです。
「そっと」「さりげなく」そして「タイミングよく」
褒めてあげるとどんどん勉強が好きになっていきます。
【教え方が下手な教師の共通点③】○○話を使わない。
ズバリ結論から言います。
それは
『例え話を使わない』
教師です。
生徒は抽象的な話ほど理解できません。
具体的な話ほど頭に入っていくものです。
それでも,小学校→中学校→高校→大学と
上級学校に行けば行くほど抽象的な内容になっていくので
100%に具体的な話だけで教えるというのは無理があります。
抽象的な理解も時には必要ですが,
その手段として『例え話』が潤滑油となり
一見わかりにくい抽象的な内容も理解しやすくなるのです。
「方程式は天秤に例えて考えればわかりやすい」
とか
「証明の問題は犯人を見つけ出す刑事の気持ちになってやってみよう」
という例え話を私はよく生徒にします。
常に生徒の身近な出来事とリンクさせて教材研究できると
教師自身の力量も上がっていくので
『例え話』という視点を意識して授業をしてみてください。
【教え方が下手な教師の共通点④】生徒に○○すぎる。
最後に4つ目の共通点。
それは
『生徒に優しすぎる』
ことです。
「えっ,生徒に優しいのが教え方下手につながるの?」
と思った方もいるでしょう。
でもほとんどの教師が勘違いしているのです。
では具体的に優しすぎる先生とはどんな先生か?
例えば,宿題を忘れてきた生徒に対して
「そっか忘れてきたのか,次の宿題の時には忘れちゃだめだよ」
とスルーしてしまう先生です。
一見,優しい先生のようにみえますが,これでは生徒が勘違いしてしまいます。
「宿題忘れたけど,次回やれば今回の分はやらなくていいんだな」と。
かといって,怒鳴ったり,否定的な言葉を浴びせたりしても効果は上がりません。
では,優しすぎない先生ならこんなときどう生徒に声をかけるのか?
それは
「宿題を忘れたのはわかった。じゃあ,今回の宿題はどうするんだい?」
この『どうするんだい?』がポイントです。
教師の方からああしろこうしろと指示を出すのは簡単ですが,それでは生徒の自主性は育ちません。
常に,『どうするんだい?』を投げかけ続けて生徒自身に責任を取らせるのです。
例えていうなら
「ボールは常に生徒に持たせておく」
ということです。
教師とのコミュニケーションを考えるとき,
教師から指示をしてボール投げるだけだと,生徒は受け身になってしまいます。
そうではなく,まず生徒にボールを預ける。
そこからキャッチボールが始まるようにするのです。
【授業で勝負できる先生になろう!】明日から授業の準備が変わる!
以上,教え方が下手な教師の共通点4つを紹介してきました。
これからはこの4つの逆のことをすればいいのです。
①生徒の理解を細かく確認する教師
②生徒が理解していることを褒める先生
③例え話を使う先生
④優しすぎない先生(生徒に責任を取らせる先生)
これを職員室の机の見えるところに貼っておくといいでしょう。
いつも意識して教材研究,そして授業に取り組んでみてください。
私もこれらのことを意識して頑張ります。