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【いつまでかかるの?】長引く帰りの会にうんざり
学校生活の一番最後に行われる『帰りの会』
みなさんはどんな印象をもっていますか?
帰りの会では、
・今日1日の反省
・明日の授業連絡
・子ども達の係活動からの連絡
・先生からの話
などがあり、どれも大切な内容です。
しかし、ある学級の子どもたちは帰りの会の最中にこんなことを考えています。
「早く終わらないかなー」
「先生、話長いよー」
「塾に間に合わなくなるよー」
「もう他のクラスは帰りの会終わっているよー」
こうなると帰りの会の大事な話なんか誰も聞いていません。
では、なぜこんな状況になるのでしょうか?
それは一言で言うと
「帰りの会が遅いから」
です。
では、帰りの会が遅い学級とはどんな学級なのでしょうか?
【早く帰りたい】教師も子どもも気持ちは同じ

帰りの会とは、名前の通り帰る直前に行われます。
子ども達の心の中は「早く帰りたい」のです。
しかし、それと同時に教師も「早く終わりたい」と思っています。
では、なぜ早く終わらないのか、なぜ長引くのか?
今回の記事を読んでいただければ、帰りの会が早く終わるコツとそのための実践がわかるようになっています。
【劇的変化】システムと賞賛で子どもの行動は変わる

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結論から言うと
帰りの会が長引く理由には次の3つがあります。
○ロッカーの整理整頓
○行動の目的化
○担任の心構え
これは私の経験から得た3つのポイントです。
私は中学校の教員をしています。
教員になりたての頃から数年間、帰りの会がいつも遅くて悩んでいました。
そこで、同僚の先輩先生からこんなことを言われたのです。
「先生は子ども達に目的を意識させていますか?」
初めのうちは、何を言われているのかいまいちピンとこなかったのですが、
しばらくしてから
「子ども達は、目の前のことに一生懸命になって行動しているだけで、目的を意識させればきっと変わってくれるんじゃないか?」
と考えるようになりました。
そして、実践したのがこの3つだったのです。
では、具体的に1つずつ解説していきます。
1つ目の【ロッカーの整理整頓】です。
これは学級のシステムの問題です。
子ども達の使うロッカーを能率的に運用することがポイントなのです。
担任をされている先生で、学級のロッカーの使い方にルールはありますか?
これが意外と大事です。
つまり、ロッカーの中の使い方を年度当初に子ども達にしっかりと指導していれば
荷物の出し入れや準備がスムーズに行われるということです。
○どんな風にかばんを入れればよいのか?
○入れてよいものは何か?
○入れていけないものはどこに置いておくのか?
こういったことを子ども達と話し合って決めておく必要があります。
ただし、注意しなければならないことがあります。
それは、ルールを決めるときに子ども達の納得感を得るということです。
教師が上から目線で「ロッカーはこう使いなさい!」と決めつけてしまうと子ども達は反発します。
「荷物の準備がスムーズにいくためにはこんなルールにしようと思うんだけどどうかな?」
こんな問いかけをして子ども達から「わかりました」と同意を得てからルールを運用するのです。
帰りの会が遅い原因の1つは「始まるまでの準備が遅い」ことがあげられます。
そして、なぜ準備が遅いのかと言うと自分のロッカーが整理されていないからです。
そうすると、いつまでもロッカーのそばで物の出し入れをして人の渋滞が発生します。
当然、席に座るまでにかかる時間もかかってしまうのです。
2つ目に【行動の目的化】です。
これは、帰りの会に限ったことではありませんが、
「帰りの会の準備は何のために行っているのか?」
という行動目的があいまいになっているとダラダラとした時間が流れます。
子ども達は、早く帰りたいのです。
そのためには準備を早くしなければなりません。
準備の段階でおしゃべりをして、帰りの会が遅くなったほうがいいのか、早く帰りの会を終わらせて、そのあとに友達とおしゃべりしたほうがいいのか、考えさせるとよいと思います。
すると「今は帰りの会の準備が最優先!」ということがわかると思います。
ただ、ここでも1つテクニックがあります。
担任の口から「早く始めたいから準備を急ごう!」と声をかけただけではうまくいきません。
うまくいくには、子ども達が早く準備して、実際に帰りの会が早く終わった時に、すかさず褒めることです。
「今日はみんな準備が早くて、余裕を持って帰れるよね」
「これって、みんなの意識が向上したからだよね」
「おかげで時間の余裕が生まれてみんな笑顔で帰れるし慌てなくて済むよね」
「みんなのおかげです。ありがとう!」
すると、子ども達は「あ、これでいいんだな!」と正しい行動の仕方がわかってくるのです。
『行動目的を明確にし、できたらほめる。』
これを繰り返していくことで、帰りの会だけでなく、様々な教育活動が効率的に行われるようになります。
3つ目に【教師の心構え】です。
先に述べた【ロッカーの整理整頓】【行動の目的化】をきちんとやっても帰りの会が遅くなることがあります。
それは
『教師の話が長い』
ときです。
いくら子ども達の行動が早くなっても、肝心の先生の話がダラダラと長かったら元も子もないのです。
基本、帰りの会での先生の話は15秒!
つまり、CMの長さと同じです。
子ども達もこれなら我慢できます。
それでも話したいことがある場合は、内容を1つに絞る。
最長でも1分。
こういった担任の意識が大切です。
それ以外に言いたいことがあれば、帰りの会以外の場面で伝える。
もしくは、読んでわかることは黒板にあらかじめ書いておく。
こういった担任の時間マネジメントが必要です。
【目的の明確化】時間のマネジメントを子どもに意識させよう!【日常の実践】

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今回は
【長い】帰りの会を早くする方法
と題してお話をさせていただきました。
これは突き詰めると
「担任の時間マネジメント」
なのです。
時間を大切にしている担任は帰りの会も早いのです。
しかし、そうでない担任の学級は、時間に対する意識が低いためダラダラと帰りの会が長引いてしまうのです。
○今は何のために行動しなければならない時なのか?
○今行っている活動は次のどんな活動のためなのか?
○今やるべきことによってどんなメリットがあるのか?
こういった視点を日頃の教育活動に置き換えて考えて見てください。
今回は、帰りの会に焦点をあててお話させていただきましたが、
それ以外の場面でも応用が利くと思います。
そして、時間のマネジメントを大切にしていくと、
子ども達も時間を大切にしていくようになります。
私も、今でこそスムーズに帰りの会を行なえていますが、
教師になりたてにころは毎日苦労の連続でした。
今回の記事が少しでも多くの方の役に立てはうれしいです。