不登校

【現役教師が語る】不登校への対応の仕方【中学校編】

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【不登校】学級に2,3人はいるのが当たり前【現実】

「○○先生のクラスの△△さん。最近学校来ていないようだけど、どうなってるの?」



こんな言葉、同僚や学年主任、管理職から言われたことありませんか?

学校現場ではよくあることです。

今の時代、学級の中に2,3人不登校生徒がいるのは当たり前です。

そんな時に、学級担任としてどう対応するか?

これは大切な問題です。



しかし、多くの場合、間違った対応をして苦しんでいる先生が非常に多いです。

具体的には次の3つです。

○担任自身が不登校生徒を出してしまったことを負い目に感じる

○原因を特定しようと生徒に何度も聞いて、何とか登校させようとする

○担任自身が自分の行なっている対応を管理職に認めてもらおうとする

不登校になるということは、ダメなことなのでしょうか?

担任としての『不登校』に対する考え方をもう一度考えてみませんか?

【担任の価値】自分を差し引く必要はない【気持ちが楽になる】

今回の記事は、担任として不登校生徒に対してどのような気持ちで対応すべきかを話したいと思います。

特に、思春期真っ只中の中学校のケースを想定して話を進めていきたいと思います。

もちろん、1つの正解のようなものがないことを承知で紹介させていただきます。

日々、不登校生徒の対応で大変な思いをしている担任の先生は全国にたくさんいると思います。

その先生方の選択肢の1つにしていただければ幸いです。



まず、大前提として

『不登校は悪くない』

ということです。



・学校に行かない
・学校に行きたくない
・学校に行く必要性を感じない
・学校に行きたいけど行けない
・何となく家にいたい

どれも不登校生徒から聞いた言葉です。



そんな不登校生徒の対応として担任が心得てほしいことがあります。

それは

学校に来なくても生徒の価値は少しも下がったりしない

ということです。



不登校生徒には、その一人一人に『それなりの理由』があります。

それを担任という一人の大人の個人的な価値観で

「学校に来ないとろくな大人にならないぞ」
「勉強に遅れたら進学できなくなるぞ」
「このくらいで逃げていては社会で生きていけなくなるぞ」

と、ぶった切ることはある意味簡単です。


でも、今の時代、順調に進学していい大学に入っていい会社に入ったからといって一生安心した生活が保障されているかというと、まったくそんなことはありません。

それよりも、

○他の人にはない自分にしかできない能力をもっている人
○他の人が経験していない経験値をもっている人材
○人の痛みがわかり心に寄り添える温かい心の持ち主

こう言った人たちの方が豊かな人生を歩めます


そういった観点からも、

不登校=ダメな生徒

という烙印(らくいん)は押さないでほしいものです。


また、それと同時に担任の先生も変な烙印を押さないでください。

○不登校生徒を出してしまったらいけない
○不登校生徒を出してしまった自分は担任としての力がない
○周りから見たら、仕事の出来ない教師と思われるのではないか

こんなことを思う必要は全くないのです。

不登校生徒が学級にいたとしても

担任の先生の価値は少しも下がったりしません

そういった意味で、担任の先生は楽な気持ちで不登校の生徒への対応を行なってほしいと思います。

【アドラー心理学】原因は自ら招いている【課題の分離】

例えば、
【友達に言われた一言で学校に行けなくなったAさん】
の場合

部活動で足を怪我したAさん

全治3か月と診断され、松葉づえを使って学校生活を送っていた

そんなあるとき、全校集会でみんなで整列して移動するときにAさんの後ろにいる男子生徒からこんな一言を言われました

「おい、はやく歩けよ!」

その時には、聞こえないふりをしてやり過ごしたが、その日はずっとその言葉が心の中に残っていました。

自分はリハビリも兼ねて一生懸命歩いていたのに、どうしてそんな言葉を言われなければならないの?






この出来事からAさんは学校に来れなくなりました。

担任の先生がこの事実を知るのは、Aさんが学校に来れなくなって1週間たったときでした。

それまで、Aさんは友達にも担任にも、もちろん親にも誰にも相談していなかったのです。

この件で考えなくてはならないことは次の3つです。

○学校に来れなくなったのは担任の対応がまずかったからではない
○「おい、はやく歩けよ!」と言った生徒を特定して謝罪させたとしても根本的な解決にはならない
○誰にも相談できないAさんの気持ち、言われた一言で自分の存在価値を差し引いてしまったAさんの心に寄り添うこと






アドラー心理学に『課題の分離』という考え方があります。

簡単に言うと、

「おい、はやく歩けよ!」と言われて学校に来れなくなったのはAさんの問題であって担任の問題ではない

ということです。





誤解しないでくださいね。担任が何も対応しなくていいということでは、まったくありません。






「おい、はやく歩けよ!」と言った生徒の指導が行き届いていなかったと担任が負い目を感じることはないということです。

世の中には、自分と違う価値観の人だらけです。

人の気持ちをすべてくみ取って人間関係を築く人もほとんどいません。

ですから、心無い言葉や相手の気持ちを察した言葉を言えない人なんていくらでもいるということです。




大切なのは、そんな言葉を言われたときにどう対処すればよいのか?

その引き出しをAさんに持ってもらうことが大切なのです。






仮に、今回の件だけ解決したとしても、また同じように心無い言葉を言われてしまうことは十分に考えられます。

その時に、「嫌なこと言われたけど、何か急いでいる理由があったのかな?その時たまたま機嫌が悪くて言い方がきつかったのかな?」と相手の言葉の裏側にある心理を考えられるようになれば、Aさんも同じようなことにはもうならないと思うのです。




今回の事例に限らず、不登校の対応ではこの

『課題の分離』

という考え方をしっかりともっていなければなりません。

一番よくないのは、生徒の問題もすべて担任が何とかしなければならないのだ、とすべて担任が抱えてしまうことです。

【対応の仕方】担任は一つ上のステージで生徒を見守る【不登校】

では、担任はどのように対応すればよいのでしょうか?

具体的には次の3つです。

①生徒の話をよく聞く
②「どうしたいのか?」を生徒に聞く
③対応できる大人をフル活用する





①まず、生徒の話をよく聞く、です。

これが一番難しい。

何故かというと、最後まで聞ききることがほとんどの教師ができていないからです。

話を聞いているうちに教師の頭の中はこうなります

(あー、あのパターンだな・・・・。じゃあ、この話をして励まそう!)

などと、過去の経験をなぞって同じ対応で済ませようとするのです。

勝手な解釈で、生徒の話を十分に聞く前に言葉を遮り、自分がイメージした結論に結びつけようとしてしまうのです。

とにかく、まず最後まで話を聴く。これに尽きます。




②次に、「どうしたいのか?」を生徒に聞く、です。

生徒の話の内容は、得てして感情やあいまいな表現が多いです。

そういった部分を深堀しようとすると墓穴を掘ります。



大切なことは、現状を生徒がどうとらえているのか?

現状のままでいいのであれば、今の取り組みを継続するだけ。

しかし、現状のままでよくない、とするならば

具体的にどうしたいのか?

生徒にとってどうなることがいいことなのか?

これを生徒の口から言わせるのです。






教師というのは、こういった不登校の問題がでてくると、解決策を提示したり、アドバイスしたりしがちです。

でもそれだと、仮にうまくいかなかったときに

「先生の言うとおりにやったのにうまくいかなかった」と

生徒や保護者からクレームが出てくる場合もあります。

あくまでも決定権は生徒自身にゆだねるのです。

そのほうが、生徒も自分で言ったことは守るものです。




③最後に、対応できる大人をフル活用する、です。

これは、担任が1人で抱え込まないための手法です。

具体的にどんな大人を活用するのか?

・親
・スクールカウンセラー
・ソーシャルワーカー
・外部機関
・部活動の顧問
・学年主任

などです。





なんでもかんでも担任がやるというのは、選択肢が狭すぎます。

それぞれの立場で、多くの大人が生徒に関わったほうが、

見方や考え方の幅も広がります。

そういった観点からも、できる限り生徒の周りにいる大人をフルに活用してほしいと思います。

そして、「自分は一人じゃないんだ」と生徒に思わせることが大切です。





以上、不登校生徒の対応策【中学校編】を紹介しました。

ここまで読んでくださって誠にありがとうございます。

何か1つでも参考になればありがたいです。

また、不登校に関する他の記事もあるのでよかったら見てください。

【不登校対応】別室登校は必要か?【中学生】

【不登校生徒】別室登校から始める登校刺激のポイント【中学生向け】

【中学生向け】不登校生徒の自己肯定感を上げる方法【担任がとるべき行動】

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