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【話の伝わる教師伝わらない教師】あの先生は何で話し方が上手なんだろう?
「先生,○○ってどういう意味ですか?」と聞き返されたことがある。
「悪気はないのに生徒を傷つけてしまった」
「面白い話をしたのに笑ってもらえなかった」
教師をしていると1度はこんな経験あるかと思います。
「もっと違う言い方をしていればなー」
と悔やんだこともあるかと思います。
この私も20年以上の教職経験ですが,
若いころはもちろん,今でも時々自分の伝え方の未熟さに
自分で自分が嫌になることもあります。
しかし,周りを見渡してみると
話の上手な先生,いつも生徒から慕われる先生
沢山いるのです。
大人の私から見ても「あの先生の話って上手だよなー」
と感心することがあります。
どうやったら相手に伝わる話し方ができるのか?
世の中には様々なテクニックが出回っていますが,最も大切なことって何なのだろうか?
【話の伝わり方5ステップ】すべては『わかる』から始まる
この記事では,話の伝わり方の基本を徹底解説します。
実は話の伝わり方には5つのステップがあったのです。
それがこれです。
①何を話すか考える
②考えたことを声にする
③声を聞く
④聞いた音を頭の中で漢字に変換する
⑤意味を考える
⑤の『意味を考える』まで到達して初めて『わかる』という感情に行きつくのです。
この5つのステップは大きく2つに分類されます。
それは
①何を話すか考える
②考えたことを声にする
と
③声を聞く
④聞いた音を頭の中で漢字に変換する
⑤意味を考える
です。
これはどういう分類かというと
①と②は『話し手』から見た視点
③と④と⑤は『聞き手』から見た視点
です。
つまり,
話し手が①何を話すか考え,②考えたことを声にする
すると
聞き手は
③話し手の声を聞いて
④聞いた音を頭の中で漢字に変換すし
⑤その意味を考える
そして話の内容が『わかる』のです。
これが『伝わった瞬間』と言えます。
これがコミュニケーションのベースなのです。
以前にこんなことがありました。
職員室で英語の先生と外国人の英語助手の先生が楽しそうに会話していたのです。
私はそれを見ていて「自分は英語がわからないから何が面白いのかがわからない。」と思っていました。
だから近くにいてもまったく楽しめないのです。
これは英語だからわからないというのもあるけれども,日本語にもあてはまるなと感じたのです。
つまり,どんなに面白い話をしても相手に伝わらなければ面白い話にならないということです。
①から⑤のステップの中でどれか1つが欠けてしまうと相手に内容が伝わらない。
回りくどいかもしれないが,日常的な会話の中で我々は頭の中で高速に処理し,
この5つのステップを一瞬にうちにやりこなしているのである。
【会話はキャッチボール】人の脳は高速でキャッチボールをしている

先ほど説明した5つのステップを理解できれば,相手に何かを伝えるときのポイントが見えてきます。
相手に何かを伝えたいと思ったら,
何を話すかというのは最重要課題ではない。
何を話すかより大切なことはどう伝えるかということ。
話が上手な教師というのはこの伝え方に長けているのです。
ではもう少し①から⑤のステップで注意することを解説していきます。
【①何を話すか考える】のポイント
話し手が何を結論として話をしようとしているのかがわかっていなければ
しゃべっているうちにわき道にそれて結局何を話していたのか本人も分からなくなってしまう事態になります。
漫才で言うとオチのない話を延々と聞かされているのと同じくらいつまらないものである。
話の中心部分はもちろんだが,それをわかりやすく伝えるための例え話(エピソード)の選び方なども大切です。
また,同じ内容を伝えるのにどんな言葉を使うかも考えなくてはなりません。
これは④にも関連するが,話し言葉と言うのは全部
『ひらがなで伝わる』
のです。
例えば,「しかくが大事」と言ったとする。
これは
・視覚が大事なのか
・四角が大事なのか
・資格が大事なのか
話し言葉(ひらがな)ではわかりません。
これを
・目で見たもの
・図形
・自分の技術として持っているもの
とわかるように前後に必要な話を取り入れることで理解が深まります。
また別な例で言うと,
「意見を集約する」「話を割愛する」
という言葉を使ったとします。この言葉は相手にどう届くのかというと
「いけんをしゅうやくする」「はなしをかつあいする」
しゃべった言葉は
『ひらがな』となって相手に届くのです。
この時に,すんなり意味を理解してくれればいいのですが
”【④聞いた音を頭の中で漢字に変換する】のポイント”で詳しく説明します。
【②考えたことを声にする】のポイント
話し手の段階でもう1つ大切なことを,考えたことをどう声に変換させて伝えるかです。
素晴らしい内容を考えたにもかかわらず,聞きづらい声でしゃべったり
同じトーンでずっとしゃべったりしたら伝わらない。
これは,同じ原稿をナレーターに読んでもらうのと素人に読んでもらうのとで,
伝わり方が全く違うのと同じです。
「大事なことは大きな声ではっきりという」とか
「ある2人の会話のやり取りを話すときには2人の役を演じるように話す」とか
声の出し方にもコツが必要です。
それくらいどんな声で話すかは重要なのです。
【③声を聞く】のポイント
今度は聞き手の視点から考えます。
それが③,④,⑤の視点です。
まず「③声を聞く」ですが,
これは特に説明入りませんね。
聞き手はまず相手の言葉を耳に入れる(聞く)ことから始まります。
ただ注意してほしいのは耳に入れる言葉は
『ひらがな』
であるということを理解しておいてください。
これが伝え方のポイントにつながります。
【④聞いた音を頭の中で漢字に変換する】のポイント
これは話し手の視点①に関連します。
話し手の言葉はひらがなとして聞き手に飛んできます。
『意見を集約』
と相手が言ったら
聞き手は
『いけんをしゅうやく』
と聞き取るのです。
その時に『いけん』って意見のことだよな。
『しゅうやく』って・・・えっとなんだっけ・・・あ,集約か。
と一瞬戸惑ってしまうことがあります。
『話を割愛する』の場合は
『はなしをかつあいする』
と聞こえ
『はなし』は話だよな。
『かつあい』は・・・えっと何か聞いたことあるぞ
何だっけ漢字が思いつかない・・・
こんなふうに頭の中で考えがストップしてしまうと
話の流れを聞き逃して相手の言いたいことが伝わらなくなることがあります。
このように聞き手と言うのは,話し手の言葉を
『ひらがな』から『漢字』に変換している
ということに気を配ってほしいと思います。
【⑤意味を考える】のポイント
聞き手と言うのはひらがなで聞き取った言葉を漢字に変換して初めて意味を考えることができます。
『いけんをしゅうやくする』
↓
『意見を集約する』
そっか意見を集めるということだな!
『はなしをかつあいする』
↓
『話を割愛する』
そっか,相手への敬意を払ってこの話は省くということだな!
と意味を考えるのです。
こうやって意味を理解したところで初めて
『わかる』という状態になり,
『話が相手に伝わった』瞬間なのです。
文字に起こしてみると何だか回りくどいように思いますが
私たちの脳はこれらを瞬時に処理しているのです。
これであなたも話が伝わる教師になれる!
ここまでの説明を聞いて
この①から⑤の流れの大切さがわかったと思います。
過去の私は,自分の言いたいことを何も考えずにしゃべってる教師でした。
しかし,それでは何も伝わらないということを理解できるようになってきました。
話し方の上手な教師はこういった話の伝わる5つのステップを
理解して意識して話しているのです。
この記事を読んできただいたあなたも明日から話し上手になれます。
教師であれば,生徒から「先生の話し方ってわかりやすいね」と言ってもらえる先生になれます。
このブログでは,『話し方』についての記事もいくつか載せているので参考までにご覧ください。