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【担任の悩み】学級経営に始まり学級経営に終わる【共通の悩み】
学級担任をしていて一番の悩みは何か?
私は様々な先生と仕事をともにしていきましたが、
学校でのちょっとした会話の合間や飲み会でのコミュニケーションにおいて必ずこの質問をします。
そうすると、ほぼ100%の確率で同じ答えが返ってきます。
一番の悩みとは
『学級経営』
です。
これは同時に、
『どの担任も学級経営を何とかしたいという思いが強い』
ということの表れです。
私は教職20年以上の中堅教師です。
過去に学級崩壊を起こし、うつ病になり学校を休んだ経験もあります。
しかし、そこからもう一度勉強し直して、今では毎年『世界一の学級』を目指して学級経営を行なっています。
担任としてどん底から這い上がった経験をもとに
学級経営で悩まない方法を紹介したいと思います。
これから話す内容は、自分の実体験も踏まえているので
明日から現場で生かせるものをできる限り紹介していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてください。
【学級経営】最強の担任になるための5つの方法【具体例あり】
今回皆さんに伝えたいことは
学級経営で悩まない最強の担任になる5つの方法です。
それがこちら
①【学級経営の理念(方針)を文章化する】
②【生徒に嫌われる覚悟で言いたいことを言う】
③【常に、次にどうするかを決める】
④【相談相手をたくさんもつ】
⑤【感謝の気持ちを生徒に伝える】
この記事では、上記5つの方法の解説と明日からできるアクションプランを提案します。
では、早速いってみましょう。
①【学級経営の理念(方針)を文章化する】

これは学級担任としての自分のスタイルを明確に持つということです。
「そんなこといつも意識しているよ」
という学校の先生方もいるかと思います。
しかし、少し考えて見てください。
私達は意外にも周りの環境や他の担任の先生の影響を受けています。
例えば、飲み会の席で2人の同僚先生が学級経営についてこんな話をしていました。
同僚A
「学級経営の基本は担任がしっかりとリーダーシップを取って生徒を引っ張っていくことだ」
同僚B
「私は、学級担任の基本は生徒の意見をしっかりと吸い上げて全体に共有するプロセスが一番大事だと思います。」
この2人の話を聞いたあなたは何て反応しますか?
ここで「うんうん、そうですねー」とどっちつかずの態度でその場をやり過ごすことは可能です。
また、「それぞれの考え方には良い面があってすごく勉強になります」
とどっちつかずな態度でどちらにも良い顔をするカメレオンと化し『分かる先生』を演じることも可能です。
もし、ここであなたに学級経営の理念(方針)がなければどうなりますか?
そうです。『悩み』が生まれるのです。
自分の意志を表明できない担任は「どっちの考え方が正しいんだ?」と悩んでしまいます。
そうならないためには、先ほどの例のような場面に遭遇したときに
「お二人の考え方は大いに参考になりました。でも私の場合は「○○○と考えます」
とはっきりと自分の理念(方針)を表明すべきなのです。
ここでまずあなたがやるべきことは1つです。
それは
『座右の銘』
を持つことです。
自分の学級経営理念につてい端的な言葉で表現できる教師は1年間ぶれずに仕事ができる教師です。
そして自分は『学級経営でこういうことを大事にする』という基本的なスタンスをしっかり表明しておくべきです。
逆に生徒の立場になって考えて見てください。これはすごくシンプルです。
自分の担任の先生が、「どんな学級にしたいか」という問いに対してあいまいな態度をとる先生、他の先生の影響を受けてその場の考えで学級の方針を変える先生、を生徒は信頼すると思いますか?
私が生徒ならしっかりとした経営理念をもった先生に担任をやってほしいと思うはずです。
常に意識を強く持つために、自分の学級経営に関する価値観を文章化して起きましょう。
メモ程度のものでもいいのです。
そして書いた紙はデスクマットに挟めたり、スマホに画像として保存しておくとかしながら活用してください。
まず、明日から実行できるアクションプランとしてノートとペンを使って自分の考えを紙に書き残しておくことをお勧めします。
②【生徒に嫌われる覚悟で言いたいことを言う】

これはアドラー心理学の『嫌われる勇気』にも出てくる内容です。
結論から言いましょう。
言いたいことを言わずにうそを言い続けるということは、長い目で見ると自分を殺しているのと同じだということです。
私から皆さんに1つ提案があります。
もう、やめませんか?『いい先生』になるのは。
いつも傷ついて悩んでいる人は『いい先生』のやりすぎです。
『いい先生』とは一見、褒め言葉のように思いますが、実はそうではありません。
こんな先生は自分の意見を伝えずに、常に生徒の顔色をうかがっている臆病な先生です。
ここで足りないのが見出しにもなっている『生徒に嫌われる覚悟で言いたいことを言う』ということです。
学級に30人の生徒がいれば、考え方や価値観の30通りあります。
ましてや生徒と教師の価値観も違います。
そんな中、全員から好かれるなんてもともと無理な話なのです。
考え方や価値観が違うなと感じる場面に遭遇したら、迷わずはっきりと自分の考えを伝えるべきです。
学級担任が生徒に話をするときに大切なことは、担任の先生の立ち位置を明確にすることです。
自分にうそをついて全生徒に合わせたりすると結果的に生徒が不幸になります。
嫌われる勇気をもって担任の意見を生徒に伝えましょう。
③【常に、次にどうするかを決める】

実は、悩みを抱えている担任の先生の99%は
『次に何をやろうとするか決めていない』
のです。
『次に何をやろうとするか決めようとしない』
と言ったほうが正確かもしれません。
生徒との関わりで悩んだ時には解決方法は3つしかありません。
・生徒に改善を求める
・教師が100%受け入れる
・環境を変える
『環境を変える』
とは、つまり担任を降りるということです。
過去の私はこれを選んでしまったのです。
こんな私だからこそ強く言いたいことがあります。
『学級の問題は基本担任が100%受け入れるべきだ』と。
ただし、すべての問題を担任のせいと決めつけろと言っているのではありません。
中には生徒に改善を求める部分もあるかと思います。
しかし、担任が全く受け止めずに一方的に生徒に改善を求めるのは間違っています。
なぜなら一方的に責めると、生徒を必要以上に感情的にさせてしまうことになるからです。
こうなるともう話し合いではなく、頑固なオヤジのけんかと一緒で一度出したこぶしを下げられなくなります。
そうではなく、まず担任がいったん受け止め、生徒に改善を求める部分を伝え、最後に
『これからどうする?』
と生徒に聞くのです。
生徒の立場になってみると、先生から一方的に指導されて終わり、ってなったらどうなるでしょうか?
その場では表面的に謝って取り繕うことはできるが、明日からどう行動していけばよいのかがはっきりしていなければ、生徒の行動は変わりません。
それでは建設的な解決方法とは言えません。
指導の最終目的は「明日からどうするか?」というアクションプランを明確にすることです。
紙に書いて可視化することもよい方法だと思います。
④【相談相手をたくさんもつ】

学級のあらゆる悩みは、生徒同士や生徒と教師間の人間関係が原因と言われています。
例えば、「最近自分のクラスの生徒とうまくいっていないんです」
「学級のために一生懸命やっているんですけど・・・」
と相談してきた後輩がいたとします。
こう言った悩みの根本はすべて
『他者との比較』
から生まれるのです。
仮に、どの学級の担任もクラスの生徒とうまくいっていなかったら「自分だけ生徒とうまくいっていない」と悩むだろうか?
悩まないはずです。
教師も人間ですから教師集団の中にいると、必ず合う先生、合わない先生がいます。
『合う先生』というのは自分を承認してくれるコミュニティとなります。
しかし問題なのは、『合う先生』が極端に少ない場合です。
1人の先生とだけしか合わないでいると、影響を受ける価値観も1通りだけ。その先生との関係が悪くなれば自分の居場所が合くなる。
逆に、多くの先生方と付き合いが深くなっていたらどうでしょうか?
困ったことがあれば、それぞれ違う得意分野を持つ同僚から様々なアドバイスや刺激をもらうことができます。
自分を肯定してくれる人間関係を増やすことが大切です。
具体的に明日から何をすればよいか?
それは今までやったことのないことに挑戦してみることです。
挑戦する姿を見ると助けたくなるのが人情。
そこからいろいろな先生との関わりを持つことができます。
決して大掛かりなことやりなさいと言っているわけではありません。
例えば、
・毎朝、職員室に来たら先生方のごみ箱のごみを回収する
・職員室に入るときに、いつもより元気で明るい挨拶をする
・電話が鳴ったら、誰よりも早くとる
・上司から頼まれたことは、考える前に「はい」といって仕事を受ける。
小さなことでいいのです。
そして、その挑戦する姿を見ている人が必ずいるということを心に留めてください。
⑤【感謝の気持ちを生徒に伝える】

日々学校で起きていることすべてに感謝の気持ちをもってみましょう。
人間とは、初めはありがたいことだなと思っても、数日たつとそんな感謝の気持ちはどこかへしまい込んで忘れてしまうのです。
ですから、忘れないためにも日ごろから気づいた瞬間に感謝する気持ちを持つことを心がけてください。
また、
『感謝する』 = 『他人に期待することがなくなる』
と、私は考えています。
つまり、生徒との関係でうまくいかない原因の1つに、生徒に対して『こうあるべきだ』という過度な期待があります。
しかし、日ごろから生徒の言動に対して感謝する気持ちを持っていれば、『こうあるべき』と考える前に『ありがとう』の感情が芽生えます。
極端な例で言うと
・朝、遅刻してきた生徒がいた
→遅れてでも学校に来ようとしたことに感謝する
・宿題を全くやってこなかった
→それでも授業の準備は忘れてこなかったことに感謝する
・些細なことで友達同士がけんかをした
→自分の言いたいことをしっかりと表現できる人間に成長していることに感謝する
とにかく、まずは心の状態を感謝ありきにしておきましょう。
そうすれば、生きているだけで幸せという感覚になり、悩みのほとんどは解消されます。
明日からできることとしては、生徒の1つ1つの言動に対して、心の中で感謝する言葉を具体的につぶやいてみることです。
感謝できる担任こそ、最強の担任なのです。
【アクションプラン】明日からあなたは最強の担任【無敵】

今回紹介した5つの方法とそれに対して明日からできるアクションプランについて、もう一度復習します。
①【学級経営の理念(方針)を文章化する】
→『座右の銘』を持つこと。
②【生徒に嫌われる覚悟で言いたいことを言う】
→全員から好かれるなんてもともと無理な話。考え方や価値観が違うなと感じる場面に遭遇したら、迷わずはっきりと自分の考えを伝えること。
③【常に、次にどうするかを決める】
→『これからどうする?』と聞いて、内容を紙に書くこと。
④【相談相手をたくさんもつ】
→今までやったことのないことに挑戦してみること。
⑤【感謝の気持ちを生徒に伝える】
→生徒の1つ1つの言動に対して、心の中で感謝する言葉を具体的につぶやいてみること。
私もこの5つを意識していますが、ちょっと忙しくなったり、予定外な仕事が入ってきたりすると、つい忘れてしまうことがあります。
これを読んでくださった先生方とともに最強の担任を目指したいと思います。