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【家庭訪問の目的と注意点】保護者への対応の仕方【中学校学級担任編】

投稿日:2020年6月23日 更新日:

【年度初め】保護者の対応で苦労すること

入学式が終わり,新年度がスタートした時期,

学級担任が保護者の対応で苦労することが2つあります。

それは

『家庭訪問』

『授業参観』

です。


どの中学校でも4月から5月にかけて必ずある行事だと思います。

入学式では,保護者は学級担任に聞きたいことがあっても,

他の保護者の手前,あまり担任の先生と込み入った話はできないものです。

それでも担任の先生と相談したいことあるという保護者は意外と多いと思います。


学級担任としては,

「どんなこと聞かれるのかな?」

「困った質問をされたらどうしよう・・・」

と悩んでいるはずです。

しかし,学級担任としては,年度初めのこの時期に保護者と信頼関係を築く最大のチャンスでもあるはずです。


この『家庭訪問』と『授業参観』をどう乗り切るかで

今年1年の学級運営を大きく左右させるものであると言っても過言ではありません。

この2つのうち,今回は『家庭訪問』について

その準備や保護者とへの対応の仕方などを

細かく紹介していこうと思います。

【家庭訪問での注意点】担任としての心得【中学校編】

では,家庭訪問をするにあたってどんなことを準備すればよいのでしょうか?

家庭訪問で学級担任が注意すべき点は次の3つです。

○家庭訪問での注意点①:学区の全体像をつかむ
○家庭訪問での注意点②:生徒が育った環境を知る
○家庭訪問での注意点③:保護者の意見に耳を傾ける

それでは、それぞれのポイントを見ていきましょう!

【家庭訪問での注意点①:学区の全体像をつかむ】

中学校というのは小学校と同じで,学校の周辺の地域,

つまり学区内から通学しています。

したがって,家庭訪問は学校を中心とした半径数㎞の範囲内で行われます。

家庭訪問をしているとこの学区の全体像が体で覚えられるのです。

これは,生徒との関係を作るうえでも大切になってきます。

では学区の全体像を知ることのメリットとは何でしょうか?


【メリット】
○生徒の自宅の位置がわかることで,通学路の具体的なイメージができる。

これは交通安全上の問題でもあります。

その生徒がどのルートを日ごろから使っているかを知ることができれば,

何か事故があった時に,どのあたりで発生したのか?次に事故にあわないようにするためにはどんな指導が必要か?

など,具体的な対処が瞬時にできるのです。


○その生徒の自宅周りを知ることで,生徒とのコミュニケーションの種を得ることができる。

例えば,自宅の周りが田んぼの場合,

「○○さんの家の近くは田んぼが多いから6月くらいになると,カエルの鳴き声が沢山聞こえるのか?」

とか

「△△くんの近くのスーパーでこの前買い物したよ。そしたら隣のクラスの○○くんにもあったよ!」

とか

生徒との共通項を得られるのです。

新年度始まったばかりで,生徒との関係をうまくとるきっかけがない場合もあります。

そんなときはこの家庭訪問で得た知識を利用して,生徒とのコミュニケーションをとることができるのです。

【家庭訪問での注意点②:生徒が育った環境を知る】

『子供は学校と家では違う顔を見せる』

これはよくあることです。

特に,思春期を迎える中学生であればほとんどの生徒が

学校と家では違う自分を演じているものです。

そこでこの家庭訪問というのは,家での顔を知る大きなチャンスでもあるのです。


例えば,

○一人っ子の生徒,

○一人っ子で親が共働き,いつも祖父母に育てられた生徒

○3人兄弟の2番目の生徒

○兄弟の中で一番下の末っ子の生徒

○父親が単身赴任で普段は母子家庭状態,母親には反発するが週末帰ってくる父親に対しては甘える生徒

○母子家庭で兄弟が2人の弟,困ったことがあると必ず兄に相談し仲の良い兄弟関係である生徒

○鍵っこで夕方帰宅すると親が帰ってくるまで一人で家にいる生徒

それぞれによって育ち方が違います。


こういった環境を知っておくことで,学校での指導に生かすことができます。

これを私は

『双方向からの理解』

と呼んでいます。


先にも述べたように,子供というのは家と学校では見せる姿が違うのです。

こういったことを前提として子供の成長を見ていくと教師の目に偏りがなくなっていきます。

例えばA君がC君をいじめたという事件が発生したとします。

A君は普段学校ではリーダーシップを発揮する優等生。

しかし,家では一人っ子で両親の帰宅も遅い。

孤食が多く,給食では好き嫌いが目立つ。

そんなA君がC君をいじめた理由はどこにあるのか?

A君の言い分では

「C君から注意されたことにカッとなって殴りかかったことがきっかけだ」

と話していたが,それが本当の原因なのか?

そこで学校の様子からではなく,家庭環境の側面から見ると

一人っ子で家では一人で過ごすことが多いA君。

リーダーシップのある生徒とはいえまだ中学生。

親の愛情を十分に受けているとはいいがたい。

きっと,そんな心のすき間からつい気持ちをコントロールできずに

C君に殴りかかたのかもしれない。

という考えもありえなくもありません。

こういった学校での様子,家庭での環境の双方向から見ることで

A君の理解がより深くなるのです。

家庭訪問とはそういった意味でも大切なものと言えるでしょう。

【家庭訪問での注意点③:保護者の意見に耳を傾ける】

これは,家庭訪問を親の立場から見ると簡単です。

学校の担任の先生が自分の家に来る。

保護者として先生に一番言いたいことはこれだと思います。

『うちの子を理解してほしい!』

どんな事情がある生徒でも,まず保護者はこう思っているのです。


だから,わが子のことに関していろいろなことを伝えたいと思って先生を待ち構えているわけです。

そんな時,担任の先生がこんな態度で家庭訪問に来たらどうでしょうか?

・話している最中,目線が合わない。
・担任の意見ばかり言ってくる。
・別な兄弟の話ばかりする。
・家庭環境について立ち入った質問をしてくる。
・学校からの要望ばかりを伝える。
・担任の昔話ばかり話してくる。

せっかくの貴重な時間,保護者として何も言えず消化不良を起こし

不信感を抱いたまま家庭訪問を終えることになるでしょう。


これでこの先保護者の協力が得られるでしょうか?

答えは明らかにNO!ですよね。

したがって,家庭訪問の鉄則として,

『保護者の意見に耳を傾ける』

をぜひ覚えておいてください。


具体的には・・・

「そうですか~。え~,はい。」などと相づちを打ちながら聞く。
「いや~お母さん,それは大変ですね~」と保護者の労をねぎらう一言を添える。
「そうだったのですか?学校ではそんな姿見せませんよ。すごいですね~」と生徒の家での様子を褒める。

という対応の仕方があります。

【家庭訪問でのコツ】『○○○』を活用せよ!【保護者対応】

先に述べた家庭訪問の注意点の中で,一番基本となるのが③です。

なにはともあれ,保護者の意見に耳を傾けなければ家庭訪問をする意味がないのです。

では上手に相手の意見を引き出すにはどうすればよいか?


それはこれです。

『エコー』

これはカウンセリングの中の1つの技法で,

「相手の言ったことをそのまま返してあげるというコミュニケーションの取り方です。」


例えば,

「先生,うちの子小学校の時はいじめられていたんですよ」
「えっ,そうだったんですか?いじめられていたんですね。」
「そうなんです。でもその時の担任の先生が何もしてくれなくて・・・」
「担任の先生何もしてくれなかったのですね。」
「そうなんです。それでいじめもエスカレートして3学期は不登校になってしまいました」
「えー,不登校だったのですか。」
「ええ,それで家ではインターネットばかり見て全然勉強しないんです。」
「そうですか。ネットにはまっていて勉強がおろそかになっているんですね。」
「そう,だから学力的にもお友達についていけるか心配なんです。」
「勉強についていけるか心配なんですね。」
「でも本人は勉強に関しては楽観的でなかなかスイッチが入らないのです。でも好きな数学だけはやってます!」
「へー,お子さんは数学が好きなのですね。」

こんな感じです。

こうやって会話を続けていく中で,生徒の情報がいろいろと保護者の口から出てきます。

・いじめられた過去がある。
・何もしない担任に不信感を持っている。
・不登校になった時期がある。
・ネット中心の生活を送っていて勉強に集中していない。
・勉強についていけるか心配
・数学が好き




ここから

「数学が好きというのなら授業でその子の存在価値を高められるように問題ができていることをさりげなく褒めてみよう」
「担任に対する不信感を過去に持っている。でもこれはそれだけ担任に対する期待の表れである。」きちんと耳を傾けて対応することでその保護者を味方につけることができる
「授業を休んだ分のノートは友達のものをコピーさせて自宅に送るようにしよう」

など,様々な対策をとることができます。

そのためにも傾聴は大切です。

【保護者対応】とにかく○○○に徹する【家庭訪問の根幹】

さあ,もう一度この家庭訪問は何のために行われているかを自覚しましょう。

学校の,または担任の考えを伝えるためにあるのではありません。

保護者へのアドバイスを述べるためにあるわけではありません。

基本は・・・まず,

『保護者の立場に立って,とにかく聞き手に徹すること。』

この信念が貫けるかどうかにかかっていると思ってください。

もし,保護者との対応で不安がある場合には,

事前にこんな本で予備知識を入れておくこともお勧めします。

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