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【スマホ時代の生徒】今教師に求められているのは?【価値観の違い】
「最近の生徒は何を考えているかわからない・・・」
「毎日何時間もスマホを見ていて何を考えているんだろう・・・」
こんな声が学校現場でよく聞こえてくるのではないでしょうか?
自分が生徒だったころと時代は変わってきています。
そして時代の変化するスピードも・・・
学校現場と言うのは毎年毎年新しい生徒が入学してきます。
しかも、新しい価値観を持った子供たちが続々と入ってくるのです。
教師は、過去の自分の価値観をずっと引きずっていると生徒との考え方のギャップについていけなくなります。
これからの時代を担う子供たちを育てていくうえで、教師はどんな心構えで生徒とコミュニケーションをとっていけばよいのでしょうか?
【学級経営】生徒を伸ばすコミュニケーション術【保存版】
この記事では、学級担任が生徒を伸ばすためのコミュニケーション術として3つのポイントを解説していきます。
○生徒の関心事に関心を持つ
○生徒の課題と教師の課題を明確に分ける
○生徒を変えようとしない
この3つを意識するだけで、生徒理解や生徒指導に本当に役に立ちます。
私は教職20年以上の中学校教師です。
過去に様々な失敗を経験してきましたが、今では毎年生徒が生き生きと生活する学級づくりを実践しています。
今日これから紹介する内容は、自分なりに勉強して「これなら使える」という有益な内容となりますので、参考にしていただければ幸いです。
では、早速いってみましょう。
【生徒の関心事に関心を持つ】

あえて極端に言うと、生徒とうまくコミュニケーションがとれていない教師というのは
自分にしか関心がな、自分中心の話題で生徒に接することが多いです。
「先生、BTSって知ってますかー。韓国のアイドル!YOUTUBEでたくさん動画アップされてるんですよー。」
って話しかけてきた生徒がいたとします。その時
「えー、分かんない。アイドルとか興味ないんだよな。それよりYOUTUBEばっかり見て勉強おろそかになってないか?そういえば今日も宿題忘れてきたよな。動画見るのもほどほどにしておきなさい!」
こんなふうに担任の先生に返されたら、この生徒は今後自分のことについて担任の先生に相談したりするだろうか・・・
実際、韓国のアイドルに関心がなくても、『生徒の関心事に関心を持つ』という視点に立てば
「へー、韓国アイドルかー。先生全く知らないけど、そのBTSのメンバーの中で誰推しなの?今夜YOUTUBEで見てみるよ」
と言って、後で調べてみる。そうすれば翌日そのメンバーについてや動画を見た感想などでコミュニケーションが続きます。
こんなふうに、生徒をよく理解しようと話を聴き、質問し、生徒を中心にして話題を展開する教師は
共感力に長けている教師
とも言えます。
決して生徒の言うなりになって合わせるようにしろ!というつもりはありません。
しかし、今どきの子どもというのは共感してほしいという欲求が非常に高いのです。
ツイッター、インスタ、YOUTUBE、何でもフォローする時代です。
生徒のモチベーションの根底には『共感』があるということを理解しておいたほうがいいと思います。
【生徒の課題と教師の課題を明確に分ける】
これは『課題の分離』とも言います。
これはアドラー心理学にも出てくる言葉です。
例えば、何か問題が起きたときに、
・頼まれたわけでもないのに口を出してしまう
・生徒の代わりに問題を解決しようと踏み込み過ぎてしまう
・生徒の悩みを一緒に抱え込んでしまう
といったことは経験ありませんか?
『課題の分離』
は、
生徒との関係において、生徒の課題なのか、教師の課題なのかを明確にし、踏み込まない、踏み込ませない
ことを言います。
例えば、「苦手なクラスメイトがいて、どう接したらいいかわからなくて困っているんですよ」と相談を持ちかけられた時を考えてみましょう。
このとき、
「先生がそのクラスメイトに声をかけてあげよう!」
「あなたからこんなふうに声をかけてみたら?」
という対応が課題の分離ができていない状態です。
教師が主体となって、何とかしてあげよう、こうあるべき、としてしまうと本当の意味で生徒の悩みを解決したことにならないのです。
そこで課題の分離を心がけるときのポイントを3つ紹介します。
①生徒の課題を一緒に抱え込まない。
②その生徒が自分で課題を解決できると信頼する。
③頼まれていないのに助言やサポートをしない。
生徒指導で生徒から話を聴いているときに、私がいつも注意していることがあります。それは
この生徒は、話を聴いてほしいだけなのか、先生に何かやってほしいと思っているのかを明確にする
ことです。
ここを間違えてしまうと課題の分離がしっかりとできずに、的外れな指導をすることとなり、最悪は人間関係が修復できないほど崩壊してしまうことがあります。
基本スタイルとしては、生徒にアドバイスをしたり、手を貸したりするのは生徒からはっきり頼まれたときだけにするといいと思います。
【生徒を変えようとしない】
これは、生徒を伸ばすコミュニケーションのベースとなる考え方です。
先に述べた2つのポイントを実践する上でも、
生徒自身が変わろうとしなければいかなる問題も解決はしないということです。
教師ができることは、教師自身の考え方を改めたり、生徒に解決の糸口に気づかせるような働きかけをすることではないでしょうか。
よくこんな言い方をする生徒や保護者がいます。
「あの担任の先生は、何もしてくれない!」
私はそれは間違っていると思います。
人は基本、他人を変えることはできないのです。
最後に問題を解決するのは、本人であるということを肝に銘じておくべきです。
仮に、教師の力によって現状を解決できたとしても、次に別な悩みに直面したときに、また同じように悩みに陥ってしまうのです。
生徒本人に解決する力を身につけさせてあげれば、違う悩みに直面しても自力で解決しようとするはずです。
特に、生徒の悩みを聴くときなどは
『生徒を変えようとしない』
という意識をもって対応しましょう。
【教師の意識】生徒の話を聴くときの注意点【意外と忘れがち】
今回の記事では『学級担任のための生徒を伸ばすコミュニケーション術』として以下の3つのポイントを紹介してきました。
○生徒の関心事に関心を持つ
○生徒の課題と教師の課題を明確に分ける
○生徒を変えようとしない
それぞれの内容で、学級担任がやるべきことをまとめてきました。
中にはすぐに使えるテクニックなども交えておきましたが、実際に生徒とコミュニケーションをとるときに注意してほしいことがあります。
それは、
『生徒の話を聴きながら結論を出さず、聞き役に徹する』
ということです。
例えば、「最近、家で勉強に集中できなくて困っているんです」
という悩みを相談されたとき、
聴き役の教師が心の中で
(あ、きっとスマホの見過ぎで勉強に集中できないんだな)
と勝手に結論を出してしまうと間違った指導をしてしまう恐れがあるということです。
「じゃあ、過去の経験であの時の対処法を紹介しようかな」
とか
「時間のマネジメント方法として、この前本で読んだあの方法を教えてあげよう」
などと、教師の側で勝手に解決方法を決めつけて話を聴いてしまうのです。
でも、よくよく生徒の話を聞いてみると、
「家庭内で両親が不仲で、そのことが心配で勉強に集中できない」
という別な理由であることも考えられるのです。
だから、まず生徒な話は最後まで素直に聴くことが重要なのです。
いろいろなテクニックを覚えると、つい『策に溺れる』教師がいますので、ご注意ください。
今回の記事が、1人でも多くの学級担任の力になれば幸いです。