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【見えないところで進行中】何かしっくりこない【学級崩壊の兆候】
『学級崩壊』
今や若手の先生に限らず、ベテランの先生でも十分起こりえる時代になってきました。
学級崩壊を経験した先生の話を聞くと、ほとんどの先生は
「気がついたら、もう手が付けられない状態になってしまっていた」
と言っています。
つまり、突然学級崩壊が起こるというここはないということです。
必ず、『兆候』があります。
しかし、日々、様々な業務を行っている担任の先生にとって
その兆候が見えにくいことがあります。
見えたとしても「何かしっくりこないな?」の肌感覚ぐらいです。
この記事では、そんな『肌感覚』である学級崩壊の兆候について述べていきたいと思います。
【見逃し禁止】こんな生徒の反応は危険【3つの反応】

学級崩壊の兆候について、この記事では『生徒の反応』に着目して紹介します。
この記事を読んでいただければ、
「あ、生徒がこんな反応をし始めたら危険信号だな」
と、あらかじめ学級崩壊の兆候をキャッチし早めに対策を立てることができるようになります。
では、早速いってみましょう。
学級崩壊の兆候を表す生徒の反応とは、次の3つです。
①【お願いしたときにネガティブな反応】
②【目が合った時に微笑まない】
③【ヒソヒソ話をする】
それでは1つずつ解説していきます。
【お願いしたときにネガティブな反応】
学校生活を送っていると、担任から生徒に何かお願いすることってよくありますよね。
「このプリント配ってくれる?」
「ちょっと荷物運ぶの手伝ってくれる?」
「○○先生に伝えてきてほしいことがあるんだけど?」
こんなお願いをするときに、生徒はどんな反応を示しますか?
「はい、わかりました!」
と元気に引き受けてくれるのであれば大丈夫です。
しかし、
「えー、何で私なんですか?」
何て反応ありませんか?
もしくは、引き受けるまでに少し『間』がある。
こういったネガティブな反応が見られる場合は、その先生に対する何か不満のようなものが背景にある可能性があります。引き受けたことによってそれを見ている周りの生徒の反応を気にしている可能性もあります。
あなたのクラスの生徒は頼まれごとを快く引き受けてくれますか?
【目が合った時に微笑まない】
目が合った時に微笑まないというのはどういうことかと言うと
これは授業中というよりは、休み時間などのリラックスしている時間帯をイメージしてください。
廊下で少し離れたところにいる生徒と目が合ったとします。
距離が離れているので、声によるコミュニケーションは難しい距離です。
そこで、担任との人間関係がうまく言っている生徒は少し微笑んでくれます。
これは、ほんの一瞬の出来事なので注意深く見ていないと見逃します。
逆に、うまくいってない場合は、目を背けて離れていってしまいます。
これも生徒の心理としては、関係がうまくいっていない担任とは関わりをもちたくないという意思の表れと言えます。
【ヒソヒソ話をする】
担任との関係がうまくいっていないと、子どもは不満を持ちます。
しかし、そこまでなら誰しもあることです。
「自分の考ってちょっと不満だけどしょうがないな」
程度で終わると思います。
人と人との関係で、1つの不満なく考えが一致する人間などこの世には存在しませんからね。
ただ、その不満がたくさん増えてきたときに人の心理は変わっていきます。
「何でこんなこと言われるんだろう、何でこんなことやらされるんだろう、他のみんなはどう思っているのかな?」
つまり、不満が多くなると他人とその不満を共有したくなるのです。
それが『ヒソヒソ話』の始まりです。
ヒソヒソ話す理由は、ただ1つです。
他の人に聞かれたくないけど、誰かと気持ちを通じ合わせたいからです。
それが、担任に向けられ始めると、学級崩壊につながっていくと思います。
【子どもの心理】不満をもつから反発するのではない【重要】

ここまで述べたように、学級崩壊の兆候の根本は
『生徒の不満』
から来ています。
この不満が多ければ多いほど、担任対する信頼は落ち、学級崩壊を引き起こします。
では、なぜ【ヒソヒソ話】が起きるのでしょうか?
それは生徒一人一人の心の中にある不満を誰かと共有したくなるからです。
よく保護者の間でありませんか?
学校の対応で納得いかないことがあった時に、
「この気持ち、誰かに聞いてもらいたい。ママ友に話したい。」
この心理が【ヒソヒソ話】を生む心理です。
では、なぜ不満が起きるのでしょうか?
それは生徒に納得感がないからです。
教師と生徒の間で合意形成がないままに推し進められるから生徒の方に不満が残るのです。
では、なぜ教師は生徒と合意形成をせず、納得感を与えられないのでしょうか?
それは『焦り』が原因です。
●早く決めて先に進みたい
●他のクラスよりはよいものを作りたい
●生徒の意見を取り入れすぎて対応が面倒になるのは嫌だ
こういった担任の心の叫びが焦りを生みます。
では、なぜ焦りが生まれるか?
それは、知識と経験が不足しているから。
○生徒と合意形成を作るためには生徒の話を聞いて受け止める
○合意形成を得た子供は多少の不満があってもきちんと行動してくれる
という知識や経験をもっていれば焦りがなくなり、落ち着いて子どもと正対できるようになります。
なぜ学級崩壊が起きるのか、そのメカニズムが見えてきましたね。
まとめるとこうなります。
『知識・経験不足』
↓
『焦り』
↓
『合意形成が作れない』
↓
『焦る』
↓
『不満』
↓
『不満を共有したくなる』
↓
『ヒソヒソ話』
↓
『教師を避けるようになる』
↓
『教師に反発する』
↓
『学級崩壊が起きる』
【プライドは捨てる】表面的な対処より心!【必ず伝わる】

実は、私は学級崩壊を経験したことがあります。
もう10年以上前のことです。
4月から担任をもったクラス、1学期もちませんでした。
2学期から休職しました。
つまり、自分で自分の学級をまとめることができずに、途中で投げ出して逃げたのです。
本当につらい経験でした。
恥ずかしくて誰にも言いたくない過去の失敗です。
でも、今はその時とは全く真逆で
毎日学校に行くのが楽しくてしょうがない、学級経営が楽しくてしょうがない担任になりました。
自分でもびっくりするくらい人生が180°変わりました。
そんな自分だからこそ、学級崩壊に関する知識や経験をより多くの人に伝えられるのではないかと思っています。
最後に私から、ここまで話してきた学級崩壊のメカニズムについて
ではどうすればいいのか?
実際のアクションプランを提案したいと思います。
具体的には2つあります。
1つは、『勉強する』です。
教師も1人の人間です。成長するには勉強するしかありません。
書籍、セミナー、講演会・・・・
自己投資して新しい知識や考え方をどんどん取り入れることです。
勉強することによって、担任として発する言葉に重みが出ます。
当然、子ども達の反応も変わっていきます。
子ども達から見れば、日々学んでいる教師から学びたいと思うのが自然だと思います。
2,3日ですぐに変わるということはないかもしれませんが、確実に変わっていきます。
2つ目に『間違ったら素直に謝る』です。
子ども達とうまく合意形成が取れず、上から強引にやらせたりすると不満が大きくなります。
キチンと合意形成を取って、子ども達に納得感を与えたうえで教育活動を進めていかなければなりません。
それができなかったときは、大人であってもきちんと謝るという姿勢は大切です。
「そんなことをしたら子ども達になめられます」
こんな意見が返ってきそうですが、
それでも学級崩壊するよりはましです。
一時的に、なめられるということはあるかもしれませんが、
担任が思いを込めて謝り、新たな提案をし、子ども達と歩んでいこうという姿勢を真摯に見せていけば必ず変わります。
何でも子どもの言うとおりにやるということではなく、学校としての考えや担任としての想いなどを伝えつつ、子どもと合意形成を作ることが大切です。
私自身はこれらのことができずに過去に失敗をしました。
この記事を読んでくださった方々には、私のような失敗をしてほしくないと思っています。
記事の内容が少しでも参考になればうれしいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。