授業

【中学校の教科担任向け】黄金の3日間の意義と進め方

投稿日:2020年6月12日 更新日:

【教科担任の悩み】なぜ指導が1年間通らないのか?

『黄金の3日間』という言葉を初めて教育界に持ち込んだのは,TOSS代表の向山洋一氏です。

4月の授業開きから3日間だけは,どんなにわがままな子も,はしゃぎまわる子も素直に教師の指示に従う。

もともと小学校の学級経営のノウハウとしてこの『黄金の3日間』は世に広まっていきました。

では,中学校の教師にとって大切なことは何だろうか?

中学校は教科担任制だから,日々の仕事の中で大部分を占める授業,これがうまくいくかどうかが大切なのです。

しかし,ほとんどの教師は毎年のように1学期の途中あたりから

「何でこの学級の生徒は,指示通りに動けないのか?」

「最近,授業の反応が鈍ってきている。どうしてこの学級の生徒は活発に意見を述べないのだろう?」

と授業の悩みを職員室でもらしていませんか?

こういった悩みを解決するのも,実は『黄金の3日間』の発想が決め手になるのです。

では,中学校教師にとって『黄金の3日間』をどのように授業に取り入れていけばよいのでしょうか?

【中学校の授業】1時間目に○○○○をするな!【授業で失敗しないポイント】

この『黄金の3日間』・・・・・・

教科担任制の我々中学校教師にとっては,『黄金の3時間』と言い換えることができる。

最初の3時間が1年間の授業の成否を決める。

ここでは,この3時間の指導方法について紹介します。

【1時間目】学習のルールやシステムを教える

最初の1時間で多くの先生がやってしまう失敗・・・・

それが「自己紹介で時間をつぶす」ことです。

黄金の3時間の中の貴重な1時間目をどうでもいい先生の自己紹介に使ってはもったいない。

まずは学習のルールやシステムを教えることから始めます。

例えば,生徒が忘れ物をした時のルールをこんなふうに話をします。

指示 「もし,忘れ物をしてしまったら,授業が始まる前に先生のところに言いに来なさい」

忘れ物は誰にでもあることです。どんなに注意しても,大人であっても年に何回かするものです。

そのたびに,生徒を指導していたのでは授業どころではなくなります。

上記の指示のようにすれば,忘れた生徒は必ず先生のところに来ることになります。

その時,われわれ教師は次のものを準備しておくのです。

・ノートの予備
・消しゴム
・鉛筆
・教科書(予備として自費で購入)
・4色ボールペン
・下敷き
・定規

など

申し出てきた生徒にこれらを貸してあげればいいのです。

そして,授業が終わったら必ず返すように指示することもお忘れなく!

そうすると,授業後に「先生,ありがとうございました!」と言って返しに来るはずです。

そこで「ちゃんと約束を守って返しに来てくれたね。次は忘れないようにするんだよ」」

と言ってあげれば,お互いに気持ちがいいし,忘れ物をしたことを声を荒げて指導することもない。

きっと,次回は忘れないで持ってくるはずです。

また,学習ルールの徹底も1時間目にやります。

例えば,教科書の本文を読ませるとき

指示 「では教科書○ページの□行目から読みます。さんはい!」

声が小さいときは,すかさず次の指示

指示 「声がそろっていません。もう一度!さんはい!」

ちゃんと読めたら

「いいですねー。この学級は本文の読み方が上手!授業の内容が頭に入っていく人は本文がきちんと読める生徒です。君たちなら中学校の勉強もできるようになりますよ」

とすかさず褒めることを忘れないこと。

音読に慣れてきたら

指示 「今日は号車ごとに読んでもらいます。では1号車。さんはい!」

   「いいですねー。」

指示 「では次の行から,2号車。さんはい!」

   「すごい。1号車よりそろってますね。2号車優秀!でも声の大きさは1号車の方が上かな?」

指示 「では次の行から3号車。さんはい!」

   「さすが3号車。完璧です!」

と,テンポよく指示を出して,すかさず褒める。このリズムが生徒たちには心地いいのです。

【2時間目】ノートの使い方を教える

中学生といえどもノートの使い方は教師の方でしっかりと指示を出すべきです。

「中学生になったら自由に書かせるくらいの自主性があったほうがいい」

という先生もいますが,次第に好き勝手な方法でノートを書き始める生徒が出てきます。

そのほとんどが自己流過ぎてまとまりのないノートになります。

まとまりがないから活用できない。

活用しないからいい加減に書く。もしくは板書すらしなくなる。

こうやって授業は荒れていくのです。

だから,もう一度言います。

中学生といえどもノートの使い方は教師の方でしっかりと指示を出すべきです。

例えば,

指示 「先生の授業ではノートの左側2㎝の部分に縦線を引きます。まず1ページ目,引いてみましょう。全員定規を持って!」

指示 「定規は左手でしっかり押さえてずれないように,きれいな直線を描きましょう!」

   「あ,○○くん。線の引き方が上手だね。」

こういった簡単な作業でも学力が測れます。勉強ができる生徒というのは,作業が丁寧。

指示したことがきちんとできるものなのです。

だから,指示通りできた生徒を見たらすかさず褒めるのです。

もし,授業の終わりに数分時間が余ったら,

指示 「では,残った時間はノートの縦線を2ページ目以降引けるところまで引きましょう。丁寧にまっすぐ引くんですよ。」

こう指示を出せば,全員が真剣に線を引き始めます。そして,黙々と線を引いている間に授業終了のチャイムが鳴る。

授業の終わり方としても一定の達成感をもって終わることができます。

次回以降,指示しなくとも生徒たちはノートに指定した線を自分で引いてくるはずです。

【3時間目】ワークの使い方を教える

ワークの使い方も授業を構築する上で大切な要素になります。

中学生でよくある間違ったワークの使い方があります。

それは,『丸付けをしない!』ことです。

驚く先生もいるかと思いますが,多くの生徒は問題を解くことはするが解答を見ないでそのままにしておくのです。

百歩譲って解答を見たとしても赤ペンで丸付けをしないのです。

解答を見たことで勉強が終わり!という意識でのちに復習することもしないのです。

当然学習内容が定着しない。

定着しないから授業がわからなくなる。

授業がわからなくなるから,授業中ぼーっとして余計なことを始める。

こういった負の連鎖に陥るのです。

だから,ワークの使い方は重要なのです。

では,どのように指導すればよいのか?

それは『使い方の指示→チェック→賞賛』のサイクルを繰り返すことです。

例えば,

指示 「ワークをやるときには,ページの途中でもその日に学習した部分はすぐに解答を見て丸付けをすることです。」

指示 「後からまとめて丸付けする,というやり方は勉強ができる人のやり方ではありません。」

指示 「丸の付け方は10円玉くらいの大きさで,きちんと丸を閉じるように赤ペンで書きます。こんな感じ!」

といって,黒板にきれいな円を手書きで書いて見せるのです。

指示 「練習で,ノートの空いているところに丸を書いてみましょう!」

   「○○さん,上手です。先生より上手!」

こんなふうに褒めてあげれば,中学生といえども喜んで繰り返します。

丸付けの指示が終わったら

指示 「間違った答えは消しゴムで消さないこと。赤ペンで×を書き,余白に正しい考え方と解答を書く。」

指示 「余白が足りないときには,ふせんに書いて貼っておくこと。

生徒というのは自分の間違いを残しておくことに抵抗があります。自分のミスをさらけ出したままにしたくないからです。

でも,学力が向上する生徒ほど,自分のミスを正面から受け止める生徒です。

その意味も込めて,間違いを消しゴムで消させない。

これは,のちにテスト前の学習にも役立ちます。

指示 「これからテスト勉強のコツを教えます。まずはワークの問題で間違った(×がついた)問題から始めます。」

こうしておけば,効率よく学習させることができます。

最後に,定期的にワークを提出させ,指示通りに使っている生徒には声をかけたり,

ワークにシールを貼ってあげたりしながら,

「先生の指示をきちんと聞いてやれば認めてもらえる」という習慣を植え付けるのです。

当然,そういう生徒は学力も伸びていきます。

勉強がわかってくれば,生徒は黙っていても先生の指示に従うものです。

【プラチナの1時間】だから生徒は先生の言うことを聞く!

この『黄金の3時間』の指導は,効果絶大です。

20年以上教職に携わっていますが,この手法でやってきて教科指導で困ったことはほとんどありません。

学力向上には多少個人差はあるものの,1年の終わりにはほとんどの生徒が

「先生の授業楽しかったよ」「小学校の時は苦手だったけど,先生の授業を聞いて少しずつ分かるようになったよ」

と言ってくれます。

しかし,この『黄金の3時間』の中で一番大切な時間があります。

それが『1時間目』です。

どんなにわがままな生徒も,どんなに反発する生徒も,この1時間目だけは先生の指示をきちんと聞きます。

しかし,『出会いの1時間目』が失敗してしまったら,よほどのことがない限り,

残りの2時間では修復は難しいと覚悟しておいたほうがいい。

それだけ1時間目は重要で,これが1年間の指導の全てを決めるのです。

つまり,1年間の教科指導の成否は最初の1時間にかかっていると覚悟してください。

【黄金の3日間】中学校の教科担任として最初の3時間を楽しもう!

さあ,プラチナの1時間目の準備を始めましょう!

中学校の場合は,教科担任制だからそれぞれの教科の特性もあると思います。

自分の教科だったらこうしよう!というイメージを具体的にもって

1時間目に臨んでください。

そこからあなたの1年間の授業が決まります。

でも大丈夫です。

今回の内容をしっかりと実践すれば,楽しい授業が1年間保証されます。

一緒に頑張っていきましょう。

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