
Contents
【意外な事実】中2のクラス替えは小学校とは違う
新年度がスタートし、
中学生とその保護者がこの時期気になるのが
『クラス替え』
です。
今回は,中学校のクラス替え【中2編】を紹介します。
中学校の3年間でクラス替えというのは原則として1度だけです。
それが中学校1年から2年に進級するときです。
つまり,この時期のクラス替えは卒業まで影響するクラス替えとなるわけですよ。
中学校生活が1年経過し,慣れてきたところでのクラス替え。
3年生になって卒業するときのメンバーが決まるという意味では
重要なイベントでもあります。
【新事実】クラス替えの意外な視点
クラス替えの決め方って,何を基準に決めているの?
結論から言いますと次の点です。
・学力に偏りがないようにする。
・人間関係を配慮する。
・ピアノが弾ける人を最低1人入れる。
・不登校生徒のバランスを考える。
・リーダーのバランスを考える。
・1組の1番を誰にするか考える。
細かく分けると他にもありますが,こんなもんでしょう。
この中で次の3つについて解説します。
①人間関係を配慮する。
②リーダーのバランスを考える。
③1組の1番を誰にするか考える。
これを読めば,中学校の先生方がどのようにしてクラス替えをしているのか。
どれだけ苦労して決めているかがわかります。
それでは早速いってみましょう。
①人間関係を配慮する
これは一番時間のかかるポイントです。
中学校に入学してきて,初めのうちは小学校の先生の情報をもとに
どんな生徒か1年間見てきました。
子供というのは常に成長するので,事前に知らされていたことと違う一面を見せる生徒は珍しくありません。
この1年間で,人間関係も大きく変わるのです。
ただし,勘違いしないでほしいのは,(特に保護者の皆様)
「ちょっとした性格の違い程度のものでは考慮しない」
ということです。
人間,集団で生活していたら合う人,合わない人が必ず出てきます。
社会人になっても必ず出てきます。
だから,「多少合わない人が学級にいたとしてもその中でどう生活していくのか」というスキルも大切なのです。
あともう一つ考える人間関係が『部活動』です。
中学校生活には部活動があります。
この部活動内の人間関係も無視できません。
「クラス替えしたら,同じ部活の仲間が誰もいない・・・」
とショックを受ける生徒もいます。
部活動の人間関係がその生徒の支えになっている場合などは
部員のバランスもクラス替えの大きな基準となります。
②リーダーのバランスを考える
これも定番中の定番です。
学級にリーダーとなる生徒がいなければ集団としての成長は望めません。
しかし,中学校のクラス替えでは,単にリーダーとなりうる生徒の人数を
調整する以外に,考えなければならないことがあります。
それが『生徒会役員』です。
どの中学校にも生徒会役員を担う生徒が必ずいます。
中には1年生からそのメンバーとして活動する生徒もいるのです。
この学年から,生徒会長になるのはだれか?
役員に選ばれそうな生徒はだれか?
これを考慮に入れます。
例えば,2組のリーダーがほとんど生徒会役員になったとしましょう。
そうするとどうなるかというと,文化祭前など生徒会役員は昼休みや放課後に
準備と称して会議が入ってきます。
そのたびに,学級のリーダーがとられてしまうと,残った生徒で学級をまとめる人材がいなくなるのです。
だから,中学校のリーダーには次のような視点が必要です。
○学校全体をリードする人材
○学級内をリードする人材
クラス替えの基準として,この人材のバランスは考えなければならないのです。
③1組の1番を誰にするか考える
これは何のために考えなけらばならない項目か・・・わかりますよね。
そうです。
『卒業式』
です。
卒業証書授与式では,1組の1番の生徒から卒業証書を授与されます。
そのトップバッターの生徒が担任の先生から呼名されたときに
どんな返事をするかによって,式の雰囲気は決まって来るのです。
つまり,1組1番の生徒は
『堂々と返事ができる生徒』
を選ぶのです。
2年生から3年生に進級するときにはクラス替えがないので,
この段階で卒業式を見越した編成が必要になってきます。
クラス替えを通して担任の先生が想うこと
教職20年以上を経験してきた私にとって,何度もクラス替えの現場に立ち会ってきました。
1つ言えることは,クラス替えによって100%学級集団が良くなる,という保証はありません。
生徒は生身の人間です。様々な環境下で考え方も言動も変わります。
それゆえに,先生方が予期しな人間関係が発生したり,これまで仲が良かった生徒と急に仲が悪くなったりすることもあります。
でも,教師という仕事は,「その瞬間瞬間で生徒のために最善を尽くす」ものです。
【保護者の皆様へ】クラス替え直後に子供にかける言葉とは?
クラス替えはどんな基準で,どんな決め方をしているのか?
ここまで読んでいただきありがとうございました。
今まで闇の中にあったクラス替え。
少しは理解できたのではないかと思います。
中学校の先生方は毎年毎年,様々なこと考慮してクラス替えを行っているのです。
最後に,保護者の方へお願いです。
クラス替えを行っています。クラス替えがあった日,子供が家に帰ってくるとこんなことを言うことがあります。
「今度のクラス最悪。知ってる人とバラバラになっちゃった。」
こんなとき,親としてこう声をかけてほしいのです。
「知っている友達とバラバラになっちゃったのは残念だったね。
でも,このクラス替えは新しい友達を作るチャンスだよ。
自分から声をかけて1人でも多く,新しい仲間の良いところを見つけてあげて
新たな友達をたくさん作りなさい。あなたならそれが気っとできると信じているよ」
成長する人とは,環境を言い訳にしません。
クラス替えは大きな環境の変化です。
これを言い訳にするか,自分のプラスと考えるか
大きな違いだと思います。
ぜひ,保護者の視点からも子供を後押ししてください。