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【学級経営】思春期の生徒を預かる難しさ【うまくいかない】
中学校の教師をしていて一番難しいのが
思春期と呼ばれる時期に入り
何とも言えない心の悩みをもっている生徒を相手にしている点です。
○分かっているけど、素直になれない。
○意味もなく他人にあたってしまう。
○自我が芽生え、親や教師など大人と考え方がぶつかる。
そういった特殊な時期であることから
学級担任として学級をまとめていくときに
簡単にまとめられない難しさがあります。
学級経営がうまくいかない先生というのは
この思春期の生徒の気持ちを汲み取れずに苦しんでいることがよくあります。
【原則】生徒を変えようとしてはいけない【統制しすぎは禁物】

では、中学生に対して、どのように関わっていけばよいのか?
この記事では、具体的に学級での生徒との関わり方を紹介します。
少しでも参考になれば幸いです。
結論から言うと
『生徒を変えようとしてはいけない』
ということです。
担任をしていると、どうしても集団を統制する目的で
みんなを同じように動かそうとしたり
教師が思い描く行動を無意識に強制したり
してしまいがちです。
例えば、授業においてよくあるのが
つい、教師が求める考え方をもった生徒を指名し
それ以外の考え方をもっている生徒の意見を見逃してしまう。
教師は「この授業は最後にこんな感じにまとめたい!」という
願望があります。
つまり、予定外の考え方が出てくるのを嫌う教師がいるのです。
もちろん、すべての教師がそうとは言いません。
しかし、50分という限られた授業時間の中で、
一定のまとめをするためには、つい教師の思い描いたレールの上に生徒の考えを載せてしまうことがあるのです。
そういった授業で、一番安心するのはだれかというと
教師なのです。
生徒はどう思うかというと
「あー、あの先生はこういう意見を求めていたんだな」
と教師の心の内を先読みしてしまうのです。
すると、それ以降の授業では
「先生がどんな考え方を求めているのか?」
ということを優先させて考えてしまい、そこに自分の考えをもつことや様々な発想をもつことをやめてしまう生徒が増えていくのです。
そうなると、当然授業は次第に面白くなくなりますよね。
生徒というのは、学校にいる時間の内
半分以上は授業を受けています。
その授業が面白いものでなければ、学校そのものが面白くなくなるのです。
その結果が学級崩壊につながるのです。
【失敗談】学級崩壊で休職した経験から【貴重な経験】

私は、教職20年以上の中学校教員です。
そんな私が
『学級崩壊を立て直しのためにやるべきこと』
と題して、えらそうに記事を書いていますが、
実は、私自身、学級崩壊を経験したことのある教師です。
学級崩壊をさせてしまい、逃げるように学校から去っていきました。
復職するまでに2年もの時間を要してしまいました。
そんな経験をした私だからこそ、
「今、学級経営で悩んでいる先生方に、伝えられることがあるのではないか」
という思いで記事を書いています。
過去の私は、
○生徒を自分の思い通りにさせようとしていた
○自分の意図する行動をしない生徒を注意していた
○うまくいかないことを恥ずかしくて誰にも相談できなかった
こんな教師でした。
その経験から1つの結論に至ったのです。
それが
『生徒を変えようとしてはいけない』
です。
よく、「過去は変えられないが、未来は変えられる」という言葉がありますよね。
それと同じように、教師から見たら生徒は他人です。
どんなにすばらしい教師でも、他人を、生徒を変えることができないのです。
教師は、あくまでも、きっかけを与えることぐらいしかできないのです。
例えば、勉強に悩んでいる生徒がいたとして
「こんなふうに勉強してみたらどう?」
と、勉強法をアドバイスしたとします。
しかし、そこで生徒がそのアドバイスを真に受けてその通りやるかどうかは本人にしか決められないのです。
教師が、つきっきりで指導することも拘束して勉強させることもできないのです。
あくまでも変わるのは生徒自身
教師にできることは、きっかけや環境を与えることで、あとは見守ることしかできないのです。
【まずは担任が変わる】生徒の見るポイントが変わる【立て直し方】

最後に、学級崩壊を立て直すために教師がやるべきことを紹介します。
結論から言うと、
『生徒に言う前に担任がやって見せる』
ということです。
●あいさつができない生徒がいる
↓
○担任から元気なあいさつを毎日生徒にする
●勉強をまったくしない
↓
○担任が楽しそうに勉強している姿を見せる
(読書や過去の体験談を話すなど)
●生徒の言葉遣いが荒い
↓
○担任が丁寧な言葉遣いで日ごろから生徒とコミュニケーションを取る
●生徒が授業中、教室を走り回って落ち着かない
↓
○担任は落ち着いてその様子をじっと見る。生徒が席に着くまでずっと黙って見る。そのうちに、周りの雰囲気を察して、気まずそうにその生徒は自分の席に座る。
●整然と整列できない
↓
○担任がきちんとした姿勢で整列する。
●友達同士でいざこざが絶えない
↓
○担任が生徒に対して、日ごろから感謝の気持ちを声に出して伝える。
(「いつも係活動ありがとう」「荷物運んでくれてありがとう」「手伝ってくれてありがとう」)
●教室内がごみが散乱して汚い
↓
○担任自ら清掃をして、教師の事務机周辺もきれいにしておく。
●時間を守れない生徒が多い(遅刻、授業に遅れる)
↓
○担任が時間を守る。(朝教室に入る時間、授業の開始や終了時間を守る)
●学級に明るい雰囲気がない
↓
○担任が生徒と一緒にいることに喜びを感じ、明るく振舞う。
などです。
こんなふうに担任が変われば、必ず生徒は変わります。
事実、私自身も変わりました。
今では学級経営で悩むことはゼロとは言いませんが、毎日学校に行くのが楽しくて仕方ありません。
まず、自分が変わるというマインドをもつことによって
一度は学級崩壊を起こして、休職してしまった私でも
教師という仕事に誇りをもって楽しく毎日を過ごすことができています。
今悩んでいる先生方は、本当につらい毎日を過ごしていると思います。
しかし、生徒が悪いのではないのです。
教師が変わらないからいけないのです。
もし、過去に戻れるなら、あの時からもう一度教員人生をやり直したいです。
この記事を読んでいただいた方には、私と同じような失敗をしてほしくないと思います。
他に、学級経営に関する記事もいくつか書いているので、よかったら参考にしてもらえると嬉しいです。
それではまた。