
【子ども達に会う前に】もう学級開きは始まっている【教師がやるべきこと】
春休みに入り、どの学校でも来年度の校内人事が固まっている頃かと思います。
教室や職員室の異動を控え、心の中では
「来年度こそ、いい学級を作るぞ!」
と心に熱いものをもっている先生が多いことと推察します。
また、自分自身もその一人であります。
しかし、子ども達は
まだ担任の先生が誰なのか?
各教科の先生は誰なのか?
全くわかりません。
したがって、4月の最初の登校日はドキドキワクワクしながら
期待と不安を感じながら学校に来るはずです。
そんな子ども達を迎え入れるために、
教師は、どんなことを準備すればよいのでしょうか?
実は、もう春休みから学級開きは始まっているのです。
【序章】最高の学級開きへ【重要】

関連記事:【黄金の3日間】1日目の最後に担任がすべきこと【学級経営のコツ】
この記事を読んでいただければ、黄金の3日間をうまく乗り切ることができます。
『黄金の3日間』
教師をしているものであれば誰しもが聞いたことのある言葉かと思います。
4月、学校が始まって3日間は、どんな子どもも教師の言うことを聞き、
よりよい学校生活を送ろうと意欲に満ち溢れている3日間となる期間です。
この3日間の指導が1年間を貫くといわれるほど大切な3日間です。
私も、この考え方に同意します。
しかし、大切なのは3日間を迎える前の段階です。
この春休み中にどんな準備をすればよいのか?
この準備をしっかりしていれば、4月に最高のスタートを送ることができます。
では、具体的な話をしていきます。
春休み中にやるべき準備は次の3つです。
①教室の整理整頓
②教師の表情
③担任のあいさつ
それぞれについて解説していきます。
【①教室の整理整頓】
まず、子ども達は登校してきて、最初に見るのは教室です。
初日の登校日には、まだ学級担任が発表されていないので
担任が教室で待つことはできません。
したがって、教室に一歩踏み入れた瞬間、目に飛び込んでくる情報が子ども達にとっては印象深いものとなります。
その教室環境をどう整えるかは、担任の仕事です。
主に次の点に注意して環境整備をしておきましょう。
・教室内の掃除をしっかりする
・掲示板の汚れや傷を直す
・机や椅子はきちんと並べてそろえる
・机を並べるところの床に印をつける
・チョークや黒板消しをきれいに並べる
・配付物はあらかじめ机の上にあげておく
・机上の配付物は順番をそろえ机の端の方にきれいにそろえておく
・ロッカーや机の名前シールをきちんと貼る
・時計を合わせる
・蛍光灯が切れていないか確認する
・黒板をきれいにする
・少し窓を開け換気をする(当日の朝)
こういった準備を春休みのうちにしておけば、子ども達に素晴らしい第一印象を与えることができます。
【②教師の表情】
暗い表情の先生より、明るい表情の先生の方が好き
元気のない先生より、元気な先生の方が好き
これは、どんな生徒も共通した思いだと思います。
教師はこれに答えられるだけの立ち振る舞いをしなければなりません。
特に、表情は自分の練習で何とでもなります。
明るい表情とはどんな表情か?
練習したことありますか?
過去の自分は全くしたことがありませんでした。
しかし、年齢が過ぎるにつれて、何もしなくても怖い顔になっていることがよくあります。
表情は意識的に直さないと人間直りません。
では、いつ練習し直すのか?
それは、朝、歯磨きをしているときです。
毎朝、歯を磨かない人はいないと思います。
しかも、歯磨きをしているときはほとんど鏡の前ですよね。
歯磨きをしながら笑顔の練習をしてください。
つまり、『笑顔歯磨き』ですね。
大丈夫です!恥ずかしいかもしれませんが、誰も見ていません(笑)
子ども達の前に立ったことをイメージして、笑顔の練習をしてください。
そして、できれば、その場で「おはようございます!」と笑顔であいさつする練習もしておくとよいでしょう。
大丈夫です!誰も見ていませんから(笑)
【③担任のあいさつ】
始業式の日、担任発表があった後、教室で初めて子ども達と対面します。
そこで、どんなあいさつをするか・・・・
1年間、そこで決まるといってもいいくらい重要なあいさつです。
この最初のあいさつで大事なポイントがあります。
次にあげるポイントは自分が意識していることです。
○3分以内でしゃべる
○1年後の姿を述べる
○許せないことを述べる
まず、長い時間しゃべるのはNG。
どんなにいいことをしゃべっても、子ども達の心に残るのは
「この先生、話ながっ・・・」
言いたいことはたくさんあると思いますが、この初日のあいさつは3分以内に収めましょう。
次に、1年後の姿を述べる、です。
つまり、来年の3月にどんな姿になってほしいかを述べるのです。
例えば、中学2年生に向けて話をする場合は
「来年の3月には、最上級生になる直前です。受験生になるのです。そのころには自分の進路について自分なりの考えをしっかり持ってほしい。そして、3年生になったらその考えのもと、高校の体験入学を選んだり、高校説明会でより自分の考えを深めたりしながら自分の進路を自分で切り開いていってほしい。今年1年はそんな姿になるための準備です。」
みたいな感じです。
それぞれの学年に応じて、1年後、どんな姿に成長してほしいか、具体的なイメージを生徒に持たせてあげましょう。
最後に、許せないことを述べる、です。
これは、「先生は、みんながこんなことをしたら本気で指導しますよ」という内容をはじめに伝えておくのです。
例えば、
・いじめ
・過去の失敗を持ち出す
・暴力、暴言
・人のものを勝手に盗む
・一生懸命やっている人をバカにする
言い方はそれぞれの先生が伝えやすい言葉でいいと思います。
学年によって生徒の発達段階も違うので・・・。
少し、長くなってしまいましたが、
○3分以内でしゃべる
○1年後の姿を述べる
○許せないことを述べる
この3つを春休みのうちに準備しておくことがとても大切です。
今からでも間に合うので、時間を見つけて考えて見てください。
【環境】最初の出会いを大切に【期待と不安】

私は中学校の教師で、教職20年以上の経験があります。
過去に学級崩壊を起こしてしまい、2年間休職した経験もあります。
今では、その経験を活かして勉強し、今では学校に行くのが毎日楽しくてたまらない状態にまで回復しました。
そんな、過去にどん底に落ちた経験をした自分だからこそ、
学級経営の大切なことを多くの方に伝えることができる部分があるのではないかと思っています。
このブログの記事も、そんな私の経験から生まれたものです。
今回の記事は、4月に子ども達が登校する前の準備についてお話をさせていただきました。
子ども達はとにかく不安と期待でいっぱいです。
担任が誰なのか?
クラスはどこなのか?
誰と一緒なのか?
これが4月の子ども達の姿です。
そんな子ども達の気持ちをできるだけ前向きに向けるのが春休みの教師の仕事です。
最高の出会いは、偶然できるものではありません。
周到な準備のもとできるものと捉えるべきです。
過去に私の勤めた学校でこんな先輩先生がいました
「私は教室環境をきれいにして子ども達を迎え入れるのは好きじゃないの。何か『教師が作り上げた環境』って感じがしてわざとらしいというか。だから私は教室をきれいにしない。子ども達にやらせるんです。」
まあ、要は教師の手を入れるより、子ども達の自主性を重んじる学級経営、ってところだとは思うのですが、
結論として、その学級は3学期には崩壊寸前にまで荒れて、最後その担任の先生は学級を持ち上がることができず、他の学年へと移りました。
学校生活が始まって落ち着いてきたら、子ども達の自主性を育てるという意味で、生徒に考えさせることは必要かもしれませんが、
4月というのはドキドキワクワクしながら登校してきます。
そこで、汚れている教室を見て「よし、自分たちできれいにしよう!」なんて気持ちにはならないと思います。
このドキドキワクワクして登校する子ども達の気持ちに応えてあげる教室を作ってほしいと思います。
【希望】一番大切なのは教師の○の準備【意欲】

ここまで担任の先生が、春休み中にやっておくべき準備について話をしてきました。
今までの話をざっくりまとめると
一番大切なことは何か?
それはずばり
教師の心の準備
です。
春休みは、異動を伴います。
勤務先が変わる教師は、新たな環境で仕事に慣れるには一定の期間が必要でしょう。
また、残された教師も、少ない人数でやれることを進めなければならないので
事務作業が膨大です。
そんなあわただしい中ですが、教師の心の準備だけはしっかりと整えていきましょう。
というのが私の言いたいことです。
私自身も過去の失敗を繰り返さないように、
笑顔を大切にし、1年後の生徒の姿をイメージしながら、何を話そうか考えていきたいと思います。
話のないように困った時はこの本を参考にしてみてください。
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