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【学級崩壊,授業崩壊】こんな状況はもう末期状態
『もぐらたたきのような学級』
こんな学級聞いたことありますか?
これは学級崩壊,授業崩壊の典型的な状態です。
授業が始まったにもかかわらず,どこか落ち着かない教室・・・
先生が話をしているにもかかわらず,さとしくんはずっと後ろの友達としゃべっています。
「さとし,ちゃんと前を向きなさい!」
すると同時にまもるくんが健太くんに消しゴムを投げて遊んでいます。
「まもるくん,今は授業中です。余計なことはしないでください。」
すると窓際のさやかちゃんがお隣のようこちゃんとお絵かきをしています。
「さやかちゃん,授業中にお絵かきは禁止です。」
「えー,わたしじゃないよようこちゃんが書こうって誘ってきたんだよ!」
こんな感じに次から次へお問題行動をする生徒たち。
まるで先生の統率がとれていない学級集団です。
これがまさにもぐらたたきのような学級の実態です。
こんな状態で,まともな授業が展開されるはずもなく
真面目に聞いている生徒も,次第に嫌気がさしてきます。
そして,気が付くと誰も自分の話を聞いてくれる生徒はいなくなります。
「授業の初めと終わりのあいさつ」さえも,まともにできなくなるのです。
こういった状況に陥ったことありませんか?
【失敗例から学ぶ】生徒が生き生きと学ぶ授業の作り方
初めからこんな状態だったわけではありません。
もっと素直に先生の話を聞いて,授業もきちんと成り立っていたのです。
では,どこでつまずいたのか?
ここでは,その実例をもとに私自身の失敗談をご紹介します。
これを読んで,どうすればよかったのかを理解し,今後の授業研究に生かしてください。
「先生あのね~」,「先生,聞いて聞いて!」
授業中,必ず声をかけてくるT子。
人懐っこい性格だが甘えん坊でわがままな面がある。
私もいい先生だと思われたい一心で「なんだい?」と,ついつい相手にしていました。
ある日の授業で,別な生徒に個別指導をしていた時,いつものようにT子が
「先生,聞いて聞いて!ねえ,ねえ,早く教えて!」と質問してきたのです。
耳には入っていたが,目の前の生徒に個別指導をしていたため
「あー・・・,あとでね」
と,目線も合わせずそっけない返事をした。
そして個別指導をしている間に,さっきT子から呼ばれていたことを忘れてしまい,また授業に戻ってしまったのです。
それ以降,T子は授業の邪魔をするようになりました。
私が大事な話をしていると,わざと後ろを向いて友達としゃべってい見たり
私が問題の解説をしているときに,関係のない質問をしたり,
こっちが無視していると,あからさまにふてくされた態度をとるようになり,
授業妨害ともとられる行動が日に日に目立っていきました。
2学期の終わりにころには,そのクラスの授業が嫌になるくらい授業が成立しない状態にまで
事態が深刻になってしまったのです。
私も耐え切れなくなり,ある先輩先生に相談したことがあります。
そこで先輩先生から言われた言葉が今でも忘れられません。
「先生は4月に生徒に負けたんだよ。その結果が今の状態だよ!」
「えっ。4月に?」
私は驚きを隠せませんでした。なぜ,12月のこの最悪な状況の原因が4月にあるとすぐに分かったのだろうか?
「先生は,4月の授業開きの時に,生徒の動きを統率できなかったから今苦しんでいるんだよ。」
「どういうことですか?4月に何の原因があったというのですか?」
「きっと先生はT子から質問されたときに,そっけない態度で返事をして相手にしなかったんだろ?」
「・・・はい。そうです。 じゃ,もっと親身になってT子の話を聞いてあげればよかったのですか?」
「いや,違う。その逆だよ!」
「T子のように思い付きでなんでも先生に質問してくる生徒に対してはこう切り返せばいいんだよ。」
「『あとでまとめて質問を受けます。』と言って,必要な指示や説明を終えた後に
『じゃあ,これまでの内容で質問がある人は手を挙げてください。』
と言えばよかったのです。」
「つまり,その都度相手にしない。授業の主導権はあくまで教師。
かといって質問を受け付けないというのもよくない。」
「だから教師が主導で動かなければならないときには,個別の質問は一切受け付けない。
そして,時間が余っているときに質問を受け付ける。」
「そのほうが,生徒側も教師側も心に余裕を持って相手の話を聞けるだろ?」
「そのどちらに主導権があるのかという,主導権争いに負けたんだよ。先生は。」
「今,アクティブラーニングとか言って,生徒主体の話し合い活動がもてはやされているけど,
授業というのは基本教師が集団の統率をとるものなんだよ。」
【失敗から成功へ】4月に決まる主導権争い!
この失敗談から私は学んだのです。
どうでもいいようなことでも,しっかりと詰めて生徒に正しい授業の受け方を定着させることの大切さを。
後から振り返ってみれば,「こうしておけば,こんなに苦労することはなかった」という後悔の念が
湧き出てくるのと同時に,解決策を必死にノートに書きあげていたのです。
その解決策がこちら
・授業が始まっているのに友達としゃべっている生徒がいたら,
①ずっと黙っている。
②その生徒が静寂に気づき前を向くまで待つ。
③気が付いて前を向いたら「ありがとう。ちゃんと前を向いてくれて。では授業を始めましょう」と言って淡々と授業を進める。
・こちらの都合も考えずに何でも質問してくる生徒がいたら
①まず,取り合わない。
②「質問はあとでまとめて受け付けます!」と笑顔で返す。
③練習問題の時間など,まとまって空く時間ができたら「質問を受け付けます!」と一言付け加える。
こうやって常に主導権は教師側にあるのだということをしっかりとしつけることが大切なのです。
【失敗例から成功例へ】失敗してもいい。そこから学べ!
人生失敗しない人はいない。
そもそも失敗とは何か?
うまくいかないことが失敗なのか?
答えは『No!』である。
失敗とは『何もしないこと』である。
つまり,授業でも同じなのです。
生徒が生き生きとした授業を展開するためには,どうすればよいのか。
あれもこれもやってみることです。
それで失敗しても,それは失敗ではない。チャレンジだ!
教材研究を積み重ね,失敗しつつけた先生にだけ,楽しい授業をやる権利が得られるのです。
『失敗は成功の基』
ありきたりですが,この言葉を心に刻み,失敗を恐れない先生を一緒に目指しましょう!